■はじめに
以前運用していたタンブラーで公開したスクリプトを使わないヒーラーの作り方を紹介します。
 スカイリムで戦闘中に回復を行うヒーラーフォロワーを作る場合、以下の3つの作り方があると思っています。

1.スクリプトを使ってヒーラーパッケージを強制させる。
2.Combat Overrideを使ってヒーラーパッケージを強制させる。
3.自作回復魔法を使わせる。 

今回紹介するのは3番の手法となります。
この手法は使える魔法が大治癒(Grand Healing)に 限定されますが、10分位で気軽に作れるという点でポイントです。あと、スクリプトを使わないという点で、他のMODと競合しにくいのではないでしょうか?。ヒーラーとしての完成形は1番や2番に見劣りするのですが、とりあえず気軽にヒーラー化したい人にお勧めです。


■前提
スカイリムの戦闘AIは、「自分のメリットになる行動しかしない」という前提がある気がしています。

例えば、他者治癒(Heal Other)は相手を回復する魔法あり、使い手にはメリットがないため使いません。大治癒(Grand Healing)はたまに使ってもらえますが、使うタイミングはフォロワー自身が瀕死の時だと思います。
つまり、自分にメリットがあるタイミングで使用してる事になります。

一方、オークフレッシュ(Oakflesh)のような防御力上昇呪文は、自分のメリットそのものなので、タイミングを限定せずに、ぽんぽん使ってくれます。

この傾向から、オークフレッシュ(Oakflesh)と大治癒(Grand Healing)を合体させた、自作回復魔法を作り、フォロワーに覚えさせれば、積極的に回復を行うノンスクリプトヒーラーになると思いまいました。

加えて、自作回復魔法をシャウトにすることで、より回復頻度が上げられるとも思っています。(詳しくは後述)

今回はその設定方法の一例を紹介したいです。ちなみに私がネクサスで公開したヒーラーフォロワーSelaのノンスクリプトverもこのタイプです。

2ScreenShot61_r


■作業
具体的な作業は、以下の3ステップです。
もしかしたら、不要の作業やもっと良い設定があるかもしれません。
その場合は、自由に直してくれてOKです。

1.自作魔法(シャウト)を作る。
2.フォロワーに覚えさせる。
3.コンバットスタイルをカスタマイズする(任意)


 
 <1.自作魔法(シャウト)を作る。>

まず、オークフレッシュ(Oakflesh)のスペルを選択します。
(防御力上昇魔法なら他でも良いのです。)
 
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次のように加工します。
IDを変えれば、保存時に別の魔法として登録されるので、バニラには影響しません。
あと、今回はシャウトにしたいので、TypeとEquipTypeはVoiceにします。
シャウトではなく魔法にしたい場合は、Voice~のくだりは不要です。

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次に、大治癒(Grand Healing)のエフェクトを2つ追加します。
RestoreHealthAreRestoreHealthBlankです。
前者は自分の周囲にいるメンバーを回復する効果、後者は自分を回復する効果です。

あと、設定をこの後色々いじるので、AutoCaluculeateのチェックを外してください。
それと任意でSpellcostで消費マジカを指定してください。シャウトは関係ないですけどね。

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必要なエフェクトが3つそろったら、それぞれの設定を調整していきます。

まず、Amort-Oak~からです。こんな感じで設定します。

Magnitudeの数字は防御力の上昇値です。AIの動作に寄与するか分かりませんが、とりあえず適当な大きい数字を入れて、使い手のメリットを高めています。あとDurationで効果時間を1秒にしています。時間の単位は「S」です。
この設定で、フォロワーは1秒持続の防御力上昇を目的に、自作魔法を頻繁に使うようになります。
そして、後続の回復効果も同時に発動することになります。ただし、これだけでは、さすがに回復がうっとおしくなるので、Conditionsで発動条件に制限をかけます。

事例では、自分(Target=subject)のヘルス(Gethealth~)が70%以下か、プレイヤ(Target=player)のヘルス(Gethealth~)が70%以下になるようにしています。orにすることが重要です!

こうすることで、自作魔法の回復発動タイミングをある程度コントロールできます。この辺は好みなので、条件を追加したり、値を変えたりしても良いです。

※この設定はうまく動作に反映しないようでした。対応は検討します

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次に、RestoreHealthAreの設定を変えます。
Magnitudは回復量で、Areaは回復範囲です。この辺もお好みですね。
あと、Conditionsの設定で、回復魔法のエリア内いるNPCの回復対象を限定します。
つまり、敵も回復しないようにします。

設定は次の通りで、フォロワー(Target=subject、Getplayerteammate=1)か、プレイヤー(Target=subject、Getid=player)にt対象を限定します。orにすることが重要です!

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最後に、RestoreHealthBlankの設定をします。
ここは自分の回復量を指定するだけで良いです。

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以上の設定で、自作魔法のスペルは完了です。
こんな感じのイメージになるかと思います。
事例ではOK_Oakfleshというスペルができました。
OKを押して、確定させてください。

次にこれをシャウトにしていきます。

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シャウトの元になるものを選びます。緑色のSと書いたアイコンの物がそうです。
コピー元にするだけなので、選ぶものは何でもいいです。
今回は、適当にUnrelentingForceShoutを選びました。

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こんな感じで変更していきます。これまでの過程で作成した自作魔法のスペルを指定してください。
OKで登録すればシャウトも完成です。
無題

<2.フォロワーに覚えさせる。>

次にこのシャウトをフォロワーに設定します。
例えば、リディアさんに登録する場合はこんな感じです。
これでリディアさんはヒールシャウトを覚えました。

戦闘では自分の防御力上昇を目的にシャウトを使ってくれます。
その副次効果として、回復効果も発動してくれるでしょう。
ここまでで、ヒーラーとしての設定は終わっても良いです。
ただし、最後にもう一手間加えることで、より、回復頻度を高めることができます。

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<3.コンバットスタイルをカスタマイズする(任意)>

やることはCombatstyleのカスタマイズです。
例えばリディアさんはcsHumanBoss1Hという戦闘スタイルが設定されています。
ここをシャウトを使いやすい自作のスタイルに変えることで、ヒールシャウトの使用頻度を増やすことができます。

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CKでcsHumanBoss1Hを検索し、選択すると以下の通りだと思います。

これを加工してみましょう。
加工するポイントはIDと、Shout項目です。

Shoutの数字が大きければ大きい程、優先的にシャウトを使ってくれます。

事例では最低限の箇所しか触りませんが、他の箇所もカスタマイズすると面白いかもしれません。
例えば、今回の自作魔法を杖にして、杖で回復を行うようにする場合は、Staffの優先度を上げれば、回復頻度を高める事ができます。

無題

最後に、この自作Combatstyleをフォロワーに設定して終りです。
リディアさんの場合はこんな感じですね。

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 この設定を反映させたリディアさんはこんな動作をします。
一応、ヒーラーっぽくなったのではないでしょうか?

 

今回の手法の肝は、防御力上昇魔法をトリガーに、使ってほしい魔法の使用頻度を高めるというところです。
これは回復魔法以外にも応用できます。例えば、今回の事例の回復魔法の部分を召喚武器に置き換えたら、ヘルス70%で、召喚武器で戦うような動きもできます。召喚武器を独自の武器にしてみても面白いかもしれませんね。

この設定方法をかつてタンブラーに掲載した後、何度かフォロワー作成者の方から使用して公開しても良いか問い合わせを受けましたが、私の許可なんていらないので、どうぞご自由に使ってください( ´∀`)
(仮に不具合が生じた場合の責任については、お受けできませんが;)